督促状を放置していると、ある日いきなり裁判所から書類が届くことがあります。ここで慌ててしまう人が多いのですが、裁判所の書類は「何が起きているか」と「いつまでに何をするか」が決まっているのが特徴です。逆に言えば、期限を過ぎて放置すると、手続が進みやすくなり、差し押さえなどの強い手段に発展する可能性も出てきます。この記事では、裁判所から通知が届くまでの流れと、書類が来た瞬間にやる順番を、初心者向けに整理します。

督促状の次に起きやすいのは支払督促と訴訟手続

督促状を無視し続けた場合、債権者が裁判所の手続を使うことがあります。

代表的なのは「支払督促」です。支払督促は、裁判所から債務者へ「支払うように」という内容の書類が送達され、期限内に対応しないと手続が進む仕組みです。もう一つの代表例が、訴状や呼出状が届く通常の訴訟手続です。どちらも共通して言えるのは、裁判所書類には期限があり、期限を過ぎるほど不利になりやすい点です。

裁判所の封筒が届いたら最初に確認する四つのこと

まずは支払いの話に入る前に、書類の種類と期限を確認します。

  • 差出人:裁判所名が書かれているか
  • 送付方法:特別送達として届いているか
  • 書類名:支払督促、仮執行宣言付支払督促、訴状、呼出状など
  • 期限:異議申立て、答弁書提出などの締切日

裁判所から「支払督促」などが送られる場合は、特別送達で送付される旨が案内されています。特別送達は重要な書類のための送達方法なので、届いたら放置せず、まず中身を確認することが第一です。

支払督促が届いたときのやる順番

支払督促は、受け取ってからの対応期限がはっきりしているため、順番通りに動くと混乱が減ります。

1 期限を確認してカレンダーに入れる

支払督促は、正本を受け取ってから2週間以内に督促異議の申立てができると案内されています。まずは受領日を基準に、締切をカレンダーに入れます。ここがずれると、後の選択肢が狭くなります。

2 内容を事実として仕分けする

次の三つに分けて考えると整理しやすいです。

  • 請求されている相手に心当たりがあるか
  • 請求額や遅延損害金などの内訳が分かるか
  • 既に支払った、または支払う約束をした経緯があるか

この段階では、焦って電話で認めたり、曖昧な約束をしたりせず、書類に書かれている事実を確認することを優先します。

3 払えるか払えないかと争うか争わないかを切り分ける

支払う意思があるが一括が難しい場合と、そもそも請求に争いがある場合では、取るべき対応が変わります。争いがあるなら、期限内の督促異議の申立てにより通常訴訟へ移行する仕組みが案内されています。迷う場合は、期限が先に来るため、相談の予約や準備を急ぎます。

仮執行宣言付支払督促が届いたときは差し押さえが現実味を帯びる

仮執行宣言付支払督促正本が送達されると、債権者はそれに基づいて強制執行の申立てができると案内されています。

この段階でも、受け取ってから2週間以内に督促異議の申立てができるとされています。ただし、放置して確定すると、差し押さえなどの手続が取り得る状態になり、生活への影響が一気に現実的になります。ここまで来たら、期限の管理と、専門家への相談を最優先にしてください。

訴状や呼出状が届いた場合は答弁書の期限が重要

訴状や呼出状が届く通常訴訟では、指定された期日と、答弁書などの提出に関する案内が同封されることがあります。

訴訟は「出なければ終わり」ではなく、放置すると相手の主張が通りやすくなるおそれがあります。まずは、期日と提出期限を確認し、争点があるのか、分割などの協議余地があるのかを整理します。手続に不慣れな場合ほど、期限に間に合う形で相談を入れることが現実的です。

やってはいけないことは放置と自己判断の受取拒否

放置が一番危険です。裁判所の書類は期限があるため、読まずに放置すると手続が進む可能性があります。

  • 封筒を開けずに置く
  • 期限を確認しない
  • 内容をよく見ないまま支払いや分割を約束する
  • 証拠になりそうな書類を捨ててしまう

詐欺や架空請求の可能性が気になる場合でも、まずは差出人や送付方法、書類名を確認し、裁判所からの正式な書類かどうかを確かめたうえで対応を決めるのが安全です。

相談前にそろえておくと話が早い資料

相談をスムーズにするため、手元にある範囲で資料を集めておくと状況整理が進みます。

  • 督促状、債権回収会社からの通知、裁判所から届いた書類一式
  • クレジットやローンの契約書、領収書、利用明細など
  • 通帳、給与明細など収入と支出が分かるもの

資料が完璧にそろっていなくても相談自体は可能とされています。期限が迫っているときは、資料集めよりも相談の予約を優先し、書類は後から追加する形でも進められます。

出典:裁判所 支払督促

出典:法務省 督促手続・少額訴訟Q&A

出典:法テラス 債務整理の相談に行く際に持参するとよい資料