動かなくなった車や古い車でも、廃車にするだけで終わりとは限りません。車そのものに買取価格が付くケースもあれば、税金や保険の還付でお金が戻るケースもあります。ただし、何が戻ってくるかは車種や手続きの種類で変わり、仕組みを知らないと損をしやすい分野です。ここでは、廃車買取の値段が決まる考え方と、代表的な還付金の種類、手続きの流れを初心者向けに整理します。

廃車買取の値段は車の使い道で決まる

廃車買取の価格は、車がどのルートで価値になるかで決まりやすいです。

廃車と聞くとスクラップのイメージが強いですが、実際は複数の価値が重なります。代表的には、解体して金属として扱うルート、部品として再利用するルート、海外へ輸出されるルートなどです。業者によって強い販路が違うため、同じ車でも提示額が変わることがあります。

スクラップとしての価値

車は鉄だけでなく、アルミや銅なども含むため、解体して資源として扱う価値があります。外装や内装の状態が悪くても、資源としての価値が残る場合があります。

部品取りとしての価値

エンジンやミッション、ライト類、ドア、ミラーなど、部品単位で需要があると買取価格が付きやすくなります。年式が古くても、同型車が多く走っている車は部品需要が続くことがあります。

輸出や再販につながる価値

日本では古く感じる車でも、海外で需要があると値段が伸びることがあります。走行距離が多い車や多少の不具合がある車でも、販路次第で評価されるケースがあります。

買取価格と還付金は別物として考える

買取価格は業者が付ける金額で、還付金は制度として戻るお金です。

見落としやすいのが、買取価格と還付金をごちゃ混ぜにしてしまう点です。たとえば、廃車買取で提示された金額が高く見えても、還付金が含まれているのか、別途もらえるのかで手取りは変わります。比較するときは、次の点を分けて確認すると分かりやすくなります。

  • 車そのものの買取価格はいくらか
  • 税金や保険の還付は、誰が受け取る扱いか
  • レッカー代や手続き費用など、差し引かれる費用があるか

無料をうたっていても費用条件は確認する

廃車手続きや引き取りが無料でも、対象エリアや車の状態によって条件が付く場合があります。引き取り費用、書類手数料、キャンセル時の負担などがどうなるかを事前に確認しておくと安心です。

自動車税の還付は普通車で発生しやすい

普通車は年度途中に抹消登録すると、翌月から年度末までの分が還付される仕組みがあります。

普通車の自動車税は年度単位で課税され、年度途中で一時抹消登録や永久抹消登録などの抹消登録をすると、抹消登録をした日の翌月から年度末までの税額が減額され、払い過ぎ分が還付されます。還付が出ない時期もあり、たとえば年度末の3月に抹消登録した場合は還付が発生しない扱いになります。還付の計算や案内方法は自治体で細部が異なるため、通知がどこから届くかも含めて一度確認しておくと確実です。

税金の未納があると手取りが変わる場合がある

税金の支払いが済んでいないと、還付が想定どおりにならない場合があります。納付状況が不安なときは、手続きを進める前に確認しておくと安心です。

軽自動車は月割還付がない

軽自動車税は普通車と違い月割課税の仕組みがないため、年度の途中で廃車しても月割の還付は基本的にありません。普通車と同じ感覚で戻ると思い込むとズレが出やすいので注意が必要です。

自動車重量税の還付は申請が必要になる

重量税の還付は、解体に伴う手続きとあわせて申請する流れが案内されています。

車検が残っている状態で車を解体し、所定の手続きを行うと、自動車重量税の還付を受けられる制度があります。重要なのは、還付が自動的に振り込まれるとは限らず、永久抹消登録申請書や解体届出書と一体になった様式の還付申請書を提出する、といった形で申請手続きが案内されている点です。車検の残りがある人ほど影響が大きいので、廃車手続きのタイミングで忘れず確認するのがコツです。

車検が残っていないと対象になりにくい

重量税の還付は車検の残りと結びつくため、車検切れの状態だと還付を見込めないケースが多くなります。自分の車検満了日を確認したうえで、どの還付が対象になりそうかを整理すると判断しやすいです。

自賠責保険は解約で返戻金が出ることがある

自賠責は残存期間があれば解約で返戻金が出る場合があります。

自賠責保険は車検とセットで加入していることが多く、廃車で車を手放すときは、自賠責の扱いも確認ポイントになります。残り期間がある場合、解約手続きによって返戻金が発生することがあります。買取業者が手続きを代行することもありますが、誰が何をするのか、返戻金は誰に入るのかを整理しておくと安心です。

リサイクル料金は扱いが誤解されやすい

リサイクル料金は車を手放す形で扱いが変わるため、買取の内訳確認が重要です。

リサイクル料金は、購入時などに預託している形になっていることがあります。ここは、車を売却するのか、廃車として処分されるのかで、実際の精算が変わることがあります。買取の見積もりでは、リサイクル料金相当が買取価格に含まれているのか、別建てで精算されるのかを確認すると、手取りの誤解が減ります。

廃車の手続きは一時抹消と永久抹消で分かれる

廃車の手続きは、いったん止めるのか、解体して完全に抹消するのかで流れが変わります。

しばらく乗らないだけなら一時抹消登録、車を解体して二度と使わないなら永久抹消登録という整理が基本です。還付の種類や必要書類が変わるため、何をしたいのかを先に決めるとスムーズです。

ローンが残っている場合は名義と手続きを先に確認する

ローン中の車は所有者名義が本人ではないことがあります。名義が違うと、手続きに必要な書類や同意が変わるため、売却や廃車の前に車検証の所有者欄を確認しておくとトラブルを避けやすいです。

損しないためのチェックリスト

廃車買取は、見積もりの見方を揃えるだけで手取りの差が出やすいです。

  • 買取価格と還付金を分けて説明してもらえるか
  • 引き取り費用や書類費用が差し引かれない条件か
  • 自動車税の還付が出そうな時期か、3月手続きになっていないか
  • 車検の残りがあり、重量税や自賠責の扱いを確認したか
  • 車検証の所有者名義が自分になっているか

廃車は面倒に見えますが、仕組みを整理すると確認ポイントは絞れます。買取価格の比較に加えて、還付金が誰に入る扱いか、費用が差し引かれないかを確認できれば、手取りのズレを減らしやすくなります。

出典:国税庁(自動車重量税の廃車還付申請手続)