ムダな保険その3:学資保険

子どもの教育資金を貯めるために「学資保険」に加入している人は多いでしょう。「子どものために」という親心につけ込んだ商品ですが、実は過半数の家庭が学資保険に入っていないという事実をご存じでしょうか。

56%の家庭が学資保険に入っていない

ソニー生命が2024年に実施した調査によると、教育資金の準備に学資保険を活用していない家庭は56.3%にのぼります。つまり、半数以上の家庭が銀行預金やNISAなど、別の方法で教育資金を準備しているのです。

出典:ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2024」

なぜ学資保険離れが進んでいるのでしょうか。その理由は明確です。

低金利で「ほとんど増えない」

学資保険の魅力は、かつては「高い返戻率」でした。払い込んだ保険料より多くのお金が戻ってくる——そんな時代もありました。しかし、超低金利が続く現在、学資保険の返戻率はほとんど100%に近い水準まで低下しています。

18年間コツコツ払い続けても、ほとんど増えない。それどころか、途中で解約すれば元本割れしてしまいます。銀行預金なら途中で引き出しても元本は減りませんが、学資保険は「満期まで絶対に解約しない」ことが前提の商品なのです。

インフレに対応できない致命的な欠点

さらに深刻なのが「インフレリスク」です。学資保険は契約時に将来の受取額が確定します。今から18年後、大学の入学金や授業料がいくらになっているか、誰にもわかりません。

もし物価が上昇すれば、18年前に契約した金額では足りなくなる可能性があります。学資保険は、インフレという最大のリスクに対応できない商品なのです。

NISAのほうがはるかに合理的

教育資金を貯めるなら、2024年から始まった「新NISA」のほうがはるかに合理的です。非課税で運用でき、必要なときにいつでも引き出せます。もちろん投資にはリスクがありますが、18年という長期間があれば、リスクを抑えながら資産を増やせる可能性が高いのです。

「子どものため」と思って入った学資保険が、実は子どもの将来の選択肢を狭めているかもしれません。

まとめ:本当に必要な保険は3つだけ

ここまで、ムダな保険を3つ紹介してきました。では、本当に必要な保険とは何でしょうか。

多くの専門家が「必要」と認める保険は、以下の3つだけです。

保険の種類 必要な理由
掛け捨て生命保険 扶養家族がいる場合のみ。遺族の生活を守るため
自動車保険(対人対物) 事故で億単位の賠償が発生する可能性があるため
火災保険 住宅が燃えたら数千万円の損害になるため

保険の基本原則は「低確率だが、起きたら自分では到底払えない損害」に備えることです。医療費のように公的保障でカバーできるもの、貯金で対応できるものに、わざわざ保険料を払う必要はありません。

あなたが今、毎月いくら保険料を払っているか、一度計算してみてください。もし月1万5,000円以上払っているなら、40年間で720万円以上を保険に費やすことになります。その金額を貯金や投資に回していたら、どれだけ資産が増えていたでしょうか。

「保険に入っているから安心」という思考停止が、あなたの資産を静かに、しかし確実に奪っています。今日から、保険の見直しを始めてみませんか。

▶ 参考資料
・生命保険文化センター「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」
・厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
・一般社団法人生命保険協会「苦情受付件数」
・独立行政法人国民生活センター「外貨建て生命保険の相談が増加しています!」
・ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2024」
・東洋経済オンライン「入ったらダメな保険と損する保険」
・ダイヤモンドオンライン「民間の医療保険に入るより貯金した方が合理的といえる理由」
・プレジデントオンライン「生命保険も医療保険も不要 お金のプロが入っている3つの保険」