「毎月の保険料、本当にこんなに必要なのだろうか」——そう感じたことはありませんか。生命保険文化センターの調査によると、日本の世帯が支払う保険料は年間平均約35万円。月額にすると約3万円です。40代・50代の男性なら、複数の保険に加入して月5,000円以上支払っている方がほとんどでしょう。
しかし、その保険料は本当に「必要な出費」なのでしょうか。実は、日本には手厚い公的医療保険制度があり、「必要な保険は3つだけ」という考え方が専門家の間で広まっています。つまり、多くの人が「払いすぎ」の可能性があるのです。
本記事では、月5,000円以上の保険料を払っている方に向けて、本当に必要な保険と不要な保険の見分け方を解説します。読み終える頃には、あなたの保険を見直すべきかどうか、判断できるようになるはずです。
日本人は「世界一の保険好き」という現実
まず知っておいていただきたいのは、日本人の保険加入率が世界的に見ても異常に高いという事実です。
生命保険の加入率は約8割。50代後半に至っては94.8%と、ほぼ全員が何らかの生命保険に加入しています。一方、保険発祥の国イギリスや、世界最大の保険市場を持つアメリカでは、加入率は60%程度にとどまります。
さらに驚くべきことに、欧米では「保険はできるだけ入らない」が常識です。イギリスやフランスでは、日本で主流の死亡保険にはほとんど加入しません。北欧諸国に至っては、社会保障が充実しているため民間保険の必要性自体が低いとされています。
では、なぜ日本人はこれほど保険に入りたがるのでしょうか。理由の一つは、戦後GHQの政策で「生保レディ」が全国に広まり、保険加入が習慣化したことにあります。もう一つは、教育費や住宅ローンなど、将来への不安が大きい日本社会の特性です。
しかし、「みんなが入っているから」という理由で保険に加入し続けるのは、冷静に考えれば合理的ではありません。
「必要な保険は3つだけ」という考え方
保険の専門家やファイナンシャルプランナーの間では、「本当に必要な保険は3つだけ」という考え方が定着しています。その3つとは以下のとおりです。
1. 死亡保険
あなたが亡くなったとき、残された家族の生活費や子どもの教育費をカバーするための保険です。葬儀費用は一般的に100〜160万円程度かかりますが、扶養家族がいる場合はそれ以上の保障が必要になります。
ただし、子どもが独立した50代以降は、高額な死亡保障は不要になるケースが多いです。住宅ローンに団体信用生命保険が付いていれば、住宅費の心配もありません。
2. 医療保険
病気やケガで入院・手術したときの費用をカバーする保険です。ただし、後述する「高額療養費制度」があるため、公的保険でカバーできない部分に絞って考えるべきです。
具体的には、差額ベッド代や先進医療の技術料など、公的保険の対象外となる費用に備えるのが医療保険の本来の役割です。
3. 就業不能保険
病気やケガで長期間働けなくなったときの収入減をカバーする保険です。会社員であれば傷病手当金(給与の約2/3)が最大1年6ヶ月支給されますが、それ以降も働けない場合や、そもそも傷病手当金がない自営業者には重要な保険です。
あなたの保険、本当に必要ですか?
ここで一度、ご自身が加入している保険を思い浮かべてください。
死亡保険、医療保険、がん保険、個人年金保険、学資保険、介護保険、所得補償保険……。複数の保険に「何となく」加入していませんか。そして、それぞれの保障内容を正確に把握していますか。
実は、保険は「必要額を貯金で準備できていれば不要」という原則があります。たとえば、葬儀費用200万円を貯金で用意できているなら、その分の死亡保険は必要ありません。医療費についても、ある程度の貯蓄があれば、高額な医療保険は不要かもしれないのです。
次のページでは、日本の公的医療保険制度がいかに手厚いか、そして「貯金がいくらあれば保険は不要になるのか」を具体的な数字で解説します。





