契約で「損する人」の5つの共通点
ここまでの内容を踏まえて、保険契約で損する人の共通点を整理しました。当てはまる項目が多いほど、保険選びで損している可能性があります。
1.「みんなが入っているから」で判断する
日本人の約8割が生命保険に加入していますが、それはあなたに保険が必要という根拠にはなりません。海外では「保険はできるだけ入らない」が常識の国も多いのです。「みんな」を理由に判断すると、本当に必要かどうかの検討がおろそかになります。
2.「人気商品」という言葉に弱い
「人気商品」=良い商品とは限りません。手数料が高い商品ほど営業が積極的に勧めるため、「人気」になりやすい構造があります。人気かどうかではなく、自分に合っているかで判断しましょう。
3. 無料相談のFPの言葉を鵜呑みにする
無料で相談に応じるFPは、保険を販売することで収入を得ています。「保険に入らないほうがいい」というアドバイスは期待しにくいことを理解しておきましょう。
4. 保険の勧誘を断れない
職場に来る営業、知人からの紹介、銀行での勧誘。「断ると悪い」と思って契約してしまう人は、不要な保険を抱えがちです。保険は「買う」ものであり、「付き合い」で入るものではありません。
5. 契約内容を把握していない
自分が加入している保険の保障内容を正確に説明できますか?「何となく」加入した保険は、いざというとき役に立たない可能性があります。
無駄になりやすい保険・特約
重複している保障
複数の保険に加入している場合、保障内容が重複していることがあります。たとえば、医療保険とがん保険の入院保障が重複していたり、住宅ローンの団信と別途加入した死亡保険が重複していたりするケースです。
家族で複数台の車を持っている場合、自動車保険の特約が無駄に重複していることもあります。
古いタイプの医療保険
10年以上前に加入した医療保険は、現在の医療事情に合っていない可能性があります。
・入院給付金の条件が「入院5日目から」など古い設計
・入院日数が長いほど有利な設計(現在は入院短期化の傾向)
・一時金タイプのほうが使い勝手が良いケースも
必要性が低い特約
特約をつけると保険料が上がります。本当に必要かどうか、支出と収入のバランスを考えて判断することが大切です。
たとえば、保険料払込免除特約は、契約内容によってはそれほど意味がないこともあります。団信の疾病特約も、若くて健康な人には不要なケースがあります。
保険選びで騙されないための3原則
最後に、保険選びで失敗しないための3つの原則をお伝えします。
原則1:公的保障を知る
日本には「高額療養費制度」という強力なセーフティネットがあります。100万円の医療費でも、自己負担は約8.7万円(年収370〜770万円の場合)。会社員なら傷病手当金で収入の約2/3が最大1年半保障されます。
この公的保障を知らずに保険に入ると、必要以上の保障を買ってしまうことになります。
原則2:必要な保険は3つだけと心得る
専門家の間では「本当に必要な保険は3つだけ」という考え方が定着しています。
・死亡保険:扶養家族がいる場合の備え
・医療保険:公的保険でカバーできない費用の備え
・就業不能保険:長期間働けなくなった場合の備え(特に自営業者)
この3つ以外の保険は、本当に必要かどうか慎重に検討してください。
原則3:複数社を比較する
一社専属の営業は、他社の商品と比較してくれません。保険を選ぶ際は、必ず複数社の商品を比較しましょう。ネットで資料請求したり、複数社を扱う代理店を利用したりする方法があります。
ただし、代理店も手数料で収入を得ていることを忘れずに。最終的な判断は、自分自身で行うことが大切です。
まとめ
保険営業が「絶対に言わない」業界の裏側を解説しました。ポイントを整理します。
1. 保険会社は「三利源」で利益を上げている
予定死亡率や予定事業費率を高めに設定することで、契約者は実際より多めの保険料を払っている可能性があります。
2. 保険料の20〜30%は営業のインセンティブ
「人気商品」「おすすめ」の裏には、手数料の高さが隠れていることがあります。
3. 「転換」や不正販売のリスクを知る
かんぽ生命の不正販売問題のような事例は、業界の構造的な問題から生まれています。
4. 公的保障を理解し、必要最低限の保険を選ぶ
日本の公的保障は手厚いです。それを踏まえたうえで、本当に必要な保険だけを選びましょう。
保険は「安心を買う」ものですが、知識がないと必要以上の保険料を払わされることになります。この記事を参考に、ぜひ一度ご自身の保険を見直してみてください。
▶ 参考資料
・生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」
・金融庁「かんぽ生命に対する行政処分について」
・各保険会社・代理店公式サイト





