「保険に入っているから安心」——そう思っている人ほど、実は大損している可能性があります。日本人の生命保険加入率は約9割。世界でもトップクラスの「保険大国」ですが、その中身を見ると、毎月ムダな保険料を払い続けている人が驚くほど多いのです。
生命保険文化センターの調査によると、1世帯あたりの年間払込保険料は平均35.3万円。40年間払い続けると、なんと1,400万円以上になります。この金額、本当に必要な保障のために使われているでしょうか。
出典:生命保険文化センター「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」
実は、お金の専門家やFP(ファイナンシャルプランナー)の多くは、「日本人は保険に入りすぎ」と口を揃えます。公的保障が充実している日本では、民間保険でカバーすべき範囲は限られているからです。
この記事では、専門家が「入る必要がない」と断言するムダな保険3つを、具体的な数字とともに解説します。もしあなたがこれらの保険に加入しているなら、今すぐ見直しを検討すべきかもしれません。
ムダな保険その1:医療保険
「病気になったらどうしよう」という不安から、多くの人が加入している医療保険。しかし、日本には世界に誇る公的医療保険制度があります。この制度を正しく理解すれば、民間の医療保険がいかにムダかがわかります。
高額療養費制度で自己負担は月8万円程度
日本には「高額療養費制度」という強力なセーフティネットがあります。これは、1カ月の医療費が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
たとえば、年収370万〜770万円の会社員が入院し、1カ月の医療費が100万円かかったとします。窓口での3割負担は30万円ですが、高額療養費制度を使えば、実際の自己負担は約8万7,430円で済みます。
| 年収区分 | 自己負担上限(月額) |
|---|---|
| 年収約1,160万円以上 | 約25万円 |
| 年収約770万〜1,160万円 | 約17万円 |
| 年収約370万〜770万円 | 約8万円 |
| 年収約370万円以下 | 約5.7万円 |
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
つまり、どんなに高額な治療を受けても、月8万円程度あれば医療費はまかなえるのです。
10年で116万円払って、受け取れるのは15万円
では、民間の医療保険に加入した場合はどうでしょうか。55歳男性が一般的な医療保険に加入すると、月額保険料は約9,688円。年間で約12万円、10年間で116万円を支払うことになります。
一方、入院した場合に受け取れる金額は、日額5,000円で30日入院しても15万円。つまり、116万円払って15万円しか受け取れない計算です。これなら、100万円を「医療費用」として貯金しておくほうがはるかに合理的です。
経済評論家のひろゆき氏も「生命保険や医療保険は、最もムダなもの。日本は健康保険が充実しているから」と断言しています。保険会社はテレビCMで不安を煽りますが、冷静に数字を見れば、医療保険の「コスパの悪さ」は明らかです。
会社員には傷病手当金もある
さらに、会社員や公務員が加入する健康保険には「傷病手当金」という制度もあります。病気やケガで働けなくなった場合、給料の約3分の2が最長1年6カ月間支給されるのです。
つまり、入院中の収入減少についても、公的保障でかなりの部分がカバーされます。「入院したら収入がなくなる」という不安も、実は思い込みに過ぎません。
医療保険が本当に必要なのは、貯金がほとんどない人や、国民健康保険に加入している自営業者など、ごく一部の人だけ。多くのサラリーマンにとって、医療保険は「安心料」という名のムダ金なのです。
では、医療保険よりもさらに「危険な保険」とは何でしょうか。次のページでは、苦情件数が5年で3倍に急増した「問題商品」について解説します。





