無知な人ほど加入するムダな保険3選

ムダな保険その2:外貨建て保険(貯蓄型保険)

「円より金利が高いドルで運用するから、お金が増えますよ」——銀行や保険ショップでこんな勧誘を受けたことはありませんか。しかし、この外貨建て保険こそ、専門家が「絶対に入ってはいけない」と警告する危険商品なのです。

苦情件数が5年で3倍に急増

生命保険協会のデータによると、外貨建て保険に関する苦情件数は、2014年度の922件から2019年度には2,822件へと、わずか5年で約3倍に急増しました。

出典:一般社団法人生命保険協会「苦情受付件数」

国民生活センターに寄せられる相談も年々増加しており、その内容は深刻です。「元本保証だと何度も説明されたのに、80万円の損失が出ていた」「銀行で定期預金だと思って契約したら、実は外貨建て保険だった」といった被害報告が後を絶ちません。

特に注目すべきは、相談者の約半数が70歳以上の高齢者で、平均購入金額が1,000万円という点です。退職金など、老後の大切な資金が、理解不十分なまま危険な商品に投じられているのです。

15年間、元本割れが続く仕組み

なぜ外貨建て保険は「危険」なのでしょうか。それは、保険会社が二重に手数料を取る仕組みになっているからです。

まず、契約時に支払う保険料の大半が「販売手数料」などの諸費用に消えます。経済ジャーナリストの荻原博子氏によると、「1年目に払う保険料の大半が諸費用に消える。円より金利が高いドルで運用しても、15年間元本割れが続く」商品もあるといいます。

さらに、為替手数料も上乗せされます。保険会社は「保険としての手数料」と「外貨商品としての為替手数料」を二重に徴収し、ノーリスクで利益を得ているのです。一方で、リスクを負うのは、すべて契約者です。

為替変動で20万円が一瞬で消える

外貨建て保険には「為替リスク」もあります。たとえば、1ドル=120円のときに10,000ドル(120万円)を払い込んだとします。

解約時に同じ10,000ドルが戻ってきても、為替が1ドル=100円になっていれば、受け取れるのは100万円。つまり、20万円の元本割れです。為替が動くだけで、あなたの老後資金は一瞬で目減りします。

保険数理の専門家は「保険会社を介さずに、自分で米国の長期国債を買うほうがマシ」と断言しています。YouTube「リベラルアーツ大学」の両学長も、外貨建て保険や貯蓄型保険を「貧乏谷へまっしぐらの危険商品」と厳しく批判しています。

「貯金」と「保険」と「投資」は、それぞれ別物です。保険で貯蓄しようとすること自体が、そもそも間違いなのです。

銀行窓口での勧誘に要注意

外貨建て保険のトラブルで多いのが、銀行窓口での勧誘です。「定期預金の金利が低いので、こちらの商品はいかがですか」と勧められ、よく理解しないまま契約してしまうケースが後を絶ちません。

銀行員は預金のプロですが、保険のプロではありません。また、銀行は保険を販売することで多額の手数料収入を得ています。あなたのためではなく、銀行の利益のために勧められている可能性があることを忘れないでください。

もし勧誘されたら、「一度持ち帰って検討します」と伝え、その場で契約しないことが鉄則です。契約してしまった場合も、8日以内であればクーリングオフが可能です。不安に思ったら、すぐに消費生活センターに相談しましょう。「元本保証」「高金利」という甘い言葉には、必ず裏があると考えてください。

では、子どもの教育資金を貯めるために「学資保険」に入っている人はどうでしょうか。次のページでは、実は過半数の家庭が入っていない「学資保険の真実」をお伝えします。