若い世代の「正解」とは
では、若い世代はどのように保険を選ぶべきなのでしょうか。専門家やインフルエンサーの意見を総合すると、3つのポイントが見えてきます。
1. 公的保険制度を最大限活用する
日本の公的保険制度は、世界的に見ても充実しています。高額療養費制度があれば、どんなに医療費がかかっても自己負担は一定額に抑えられます。
| 年収 | 医療費100万円の場合の自己負担 |
|---|---|
| 約370万〜770万円 | 約87,000円 |
| 約770万〜1,160万円 | 約171,000円 |
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
会社員であれば傷病手当金もあり、病気で働けなくなっても給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給されます。これらの公的制度を理解したうえで、「足りない部分だけ」を民間保険で補うのが合理的です。
2. 本当に必要な保険は3つだけ
両学長(リベ大)が推奨する「入るべき保険」は以下の3つだけです。
(1)掛け捨ての死亡保険
子育て世帯で、自分が亡くなると家族が経済的に困る場合のみ。独身や共働きで収入が十分なら不要です。
(2)火災保険
持ち家でも賃貸でも必須。火災や自然災害で住居を失うリスクは、貯蓄ではカバーしきれません。
(3)自動車保険(対人・対物無制限)
車を所有するなら必須。事故で数億円の賠償責任を負う可能性があります。
逆に言えば、医療保険・がん保険・外貨建て保険・学資保険などは「入らなくても大丈夫」という考え方です。もちろん個人の状況によって判断は異なりますが、「何も考えずに全部入る」のは明らかに非合理的でしょう。
3. 浮いた保険料はNISAで運用
月3万円の終身保険をやめて月2,000円の掛け捨て保険に切り替えれば、毎月約28,000円が浮きます。この差額をNISAで積立投資すれば、20年後には大きな資産になります。
仮に年利5%で運用できた場合、毎月28,000円の積立は20年後に約1,150万円になります。これこそが「投資と保険を分けて考える」メリットです。貯蓄型保険では、この運用効率は実現できません。NISAなら運用益も非課税なので、さらに有利です。
まとめ:掛け捨ては「損」ではなく「賢い選択」
「掛け捨てはもったいない」という考えは、もはや時代遅れになりつつあるのです。
若い世代が実践している保険の選び方は、極めて合理的です。公的制度を最大限活用し、本当に必要な保障だけを掛け捨てで確保し、余った資金は投資に回す。これが現代の「正解」といえるでしょう。
親から「保険に入ったら?」と言われたとき、ただ従うのではなく、自分で情報を集めて判断することが大切です。保険会社や営業マンの言葉を鵜呑みにせず、YouTube・ブログ・書籍など複数の情報源から学びましょう。
保険は「お守り」ではありません。合理的に設計された金融商品です。だからこそ、感情ではなく数字で判断することが、後悔しない保険選びにつながります。
掛け捨て保険は「損」ではなく「賢い選択」です。この新常識をしっかり理解したうえで、自分に本当に必要な保障を見極めてください。
▶ 参考資料
・生命保険文化センター「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」
・NTTデータ経営研究所「保険視点でのZ世代×デジタル戦略の有効性調査」(2024年10月)
・厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
・リベラルアーツ大学「本当に必要な3つの保険と理由を解説」
・MONEY PLUS「『掛け捨てはもったいない』損する保険の誤解」(2025年1月)
・日経ビジネス「生命保険の『掛け捨て』は損か、得か?」





