真面目に貯金した人が一番バカを見る理由

日本人が投資を避ける「3つの誤解」

ここまで読んで「投資した方がいいのはわかった。でも怖い」と感じる方も多いでしょう。しかし、その「怖さ」の多くは誤解に基づいています。

誤解1:投資は危険でギャンブルと同じ

確かに、短期的な株の売買はギャンブルに近い側面があります。しかし、長期・分散投資は全く別物です。

S&P500の過去30年間の勝率は73.3%。つまり、4年のうち3年は上昇しています。さらに、15年以上の長期投資では、過去のデータ上元本割れしたケースはほぼゼロです。

日本人が投資を「危険」と感じる背景には、1990年のバブル崩壊のトラウマがあります。しかし、それは「日本株だけに集中投資した場合」の話。世界に分散していれば、この30年間でも十分なリターンを得られました。

誤解2:まとまったお金がないと投資できない

「投資は金持ちがやるもの」というイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、今は100円から投資信託を購入できる時代です。

2024年から始まった新NISAでは、月1万円の積立でも十分に効果があります。先ほどのシミュレーションで示したように、月1万円を30年続ければ、利回り5%なら832万円になります。

誤解3:知識がないと損をする

「どの株を買えばいいかわからない」という不安はもっともです。しかし、インデックス投資なら、銘柄選びの知識は不要です。

インデックス投資とは、市場全体に分散投資する方法。例えば「eMAXIS Slim 全世界株式」を買えば、それだけで世界中の約3,000社に分散投資したことになります。

難しい分析や銘柄選びは一切不要。「買って、持ち続ける」だけです。

今からでも遅くない!資産を守る3つの方法

「投資を始めるべきなのはわかった。具体的に何をすればいい?」という方に、3つのステップを紹介します。

方法1:新NISAを活用する

2024年から大幅に拡充された新NISAは、投資の利益が非課税になる制度です。

項目 内容
年間投資枠 360万円(成長投資枠240万+つみたて枠120万)
非課税保有限度額 1,800万円
非課税期間 無期限

通常、投資の利益には約20%の税金がかかります。しかしNISAなら、100万円の利益が出ても税金ゼロ。これを使わない手はありません。

2024年末時点で、NISA口座数は2,559万口座に急増。18歳以上の約4人に1人がすでにNISAを利用しています。

方法2:長期・積立・分散の3原則を守る

投資で失敗しないための基本原則は、たった3つです。

1. 長期投資:最低でも10年、できれば20年以上の視野で

2. 積立投資:毎月一定額を自動で購入(タイミングを気にしない)

3. 分散投資:1つの銘柄や国に集中しない

この3原則を守れば、短期的な暴落があっても慌てる必要はありません。リーマンショックやコロナショックを経ても、長期で持ち続けた人は結局プラスになっています。

方法3:生活防衛資金は確保しておく

ただし、全額を投資に回すのは危険です。急な出費や収入減に備えて、生活費の3〜6カ月分は現金で確保しておきましょう。

投資は「余裕資金」で行うのが鉄則。借金をしてまで投資するのは絶対にNGです。

まとめ

「真面目に貯金してきた人がバカを見る」——これは決して、貯金が悪いという意味ではありません。問題は「貯金だけ」に頼ってしまうことです。

項目 バブル期 現在
定期預金金利 6.08% 0.275%
100万円の年間利息 約5万円 約16円
実質金利 プラス マイナス2%以上

時代は変わりました。かつては「預けるだけ」で資産が増えましたが、今は「預けるだけ」で資産が減る時代です。

今からでも遅くはありません。まずは新NISAで月1万円から始めてみてください。30年後、860万円の差がつくかどうかは、今日の決断にかかっています。

▶ 参考資料
・大和総研「家計の現預金に吹く高インフレの逆風」
・日本経済新聞「インフレが問う貯金神話 実質目減り、48年ぶり規模」
・東洋経済オンライン「銀行にお金を預けるのが損だとわかる理由」
・東証マネ部!「現在の預金金利、過去最高の1500分の1」
・三井住友トラスト・アセットマネジメント「30年積立シミュレーション」
・マネーポストWEB「過去30年のS&P500データ」
・三井住友銀行「新NISAスタートから1年」