100万円以上の預金を守り・増やす方法
ここまで、預金に潜むリスクと知っておくべき常識を解説してきました。では、具体的にどうすれば大切なお金を守り、さらに増やすことができるのでしょうか。
守る方法1:複数の銀行に分散する
ペイオフ対策として、1つの銀行には1,000万円までにしておくのが基本です。1,500万円の預金があるなら、A銀行に1,000万円、B銀行に500万円というように分散しましょう。
同じ銀行内で支店を分けても意味がないことは先述の通り。必ず「別の金融機関」に分けてください。
守る方法2:休眠口座にしない
使っていない口座でも、年に1回は入出金をしておきましょう。100円の入金でも「取引あり」とみなされ、休眠預金化を防げます。
今後も使う予定のない口座は、思い切って解約するのがベストです。口座管理の手間も減りますし、万が一のトラブル(通帳やカードの紛失など)も防げます。
守る方法3:遺言書を作成しておく
相続時の口座凍結トラブルを防ぐには、遺言書の作成が有効です。遺言書があれば、遺産分割協議を経ずに預金を引き出せるケースもあります。
特に、配偶者や子に「すぐ使えるお金」を残したい場合は、公正証書遺言の作成を検討しましょう。
増やす方法1:高金利のネット銀行を活用する
2025年12月現在、銀行によって預金金利に大きな差があります。
| 銀行の種類 | 普通預金金利 | 定期預金金利(1年) |
|---|---|---|
| メガバンク | 年0.2% | 年0.275% |
| ネット銀行 | 年0.3〜0.55% | 年0.5〜1.25% |
同じ1,000万円を1年預けた場合、メガバンクなら利息約2万円、ネット銀行(金利1%)なら利息約10万円。銀行を変えるだけで年間8万円以上の差が生まれます。
預金を分散させるなら、ネット銀行を1つ加えることで、ペイオフ対策と金利アップを同時に実現できます。
増やす方法2:NISAでインフレに負けない資産形成
インフレで預金の価値が目減りする時代、預金だけでは資産を守れません。そこで活用したいのがNISA(少額投資非課税制度)です。
2024年から始まった新NISAでは、年間最大360万円、生涯で最大1,800万円まで非課税で投資できます。投資で得た利益に通常約20%かかる税金がゼロになるため、効率的に資産を増やせます。
| 項目 | NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 年間投資上限 | 360万円 | 6.2〜7.5万円/月 |
| 非課税期間 | 無期限 | 受取時まで |
| 引き出し | いつでも可 | 原則60歳まで不可 |
| 税制メリット | 運用益が非課税 | 掛金全額が所得控除 |
まとまった資金があるなら、NISA口座で投資信託を購入するのがおすすめです。「全世界株式インデックスファンド」など、分散投資ができる商品を選べば、リスクを抑えながら長期的な資産形成が期待できます。
まとめ
100万円以上の預金がある人が知っておくべきポイントを整理します。
| リスク | 対策 |
|---|---|
| ペイオフ(1,000万円超は保護対象外) | 複数の銀行に分散 |
| インフレによる目減り | NISA・iDeCoで運用 |
| 休眠預金(10年放置で国へ移管) | 定期的に入出金/不要な口座は解約 |
| 相続時の口座凍結 | 遺言書の作成 |
| タンス預金のリスク | 100万円以上は銀行へ |
「銀行に預けておけば安心」という時代は終わりました。ペイオフ対策として銀行を分散し、インフレ対策としてNISAなどの非課税制度を活用する。この2つを実践するだけで、あなたの資産はより安全に、より効率的に増えていきます。
まずは自分の預金状況を確認し、今日からできることを始めてみてください。
▶ 参考資料
・金融庁「預金保険制度」
・政府広報オンライン「休眠預金」
・三井住友DSアセットマネジメント「現金の価値が目減り」
・三菱UFJ銀行 Money Canvas「インフレ予想」
・日本経済新聞「3メガバンク、普通預金金利0.2%に」
・国税庁「利子所得」
・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」





