資金調達を考える前に、まず効果が出やすいのが「キャッシュフローの改善」です。売上があるのに資金繰りが苦しい会社は珍しくありません。その原因の多くは、回収と支払いのズレ、在庫の滞留、固定費の重さなど、日々の資金の出入りにあります。ここでは、キャッシュフローを良くする基本の考え方を、実行しやすい順番で整理します。

利益と現金は一致しない

会計上の利益が出ていても、現金が増えるとは限りません。売掛金が増えて回収が先送りになっていたり、在庫を積み上げて現金が仕入れに消えていたりすると、帳簿上は黒字でも資金は減ります。まずは、現金の増減を「営業」「投資」「財務」に分けて把握するところから始めます。

改善の主戦場は「運転資金」

キャッシュフロー改善で効きやすいのは、運転資金に直結する3点です。

1) 回収を早める(売掛金)

  • 請求の締め日・発行日を早める
  • 入金サイト(回収サイト)の見直しを交渉する
  • 入金遅れの管理をルール化する(催促のタイミングを決める)

2) 支払いを遅らせる(買掛金)

  • 支払いサイトの見直し(分割や締め日の調整を相談)
  • 固定費の支払いタイミングを分散させる

3) 在庫を減らす(棚卸資産)

  • 売れ筋・死に筋を分け、仕入れ量を調整する
  • 滞留在庫を処分して現金化する

資金繰り表で「先に困る月」を見える化する

改善の優先順位は、資金繰り表を作ると決めやすくなります。直近3か月~6か月で「資金が足りなくなる月」が見えると、打ち手が具体化します。必要なら専門家(認定支援機関など)と一緒に作り、金融機関への説明資料としても使える形に整えると、調達の成功率も上がりやすくなります。

調達より先に効く「小さなルール」

  • 入金予定と支払予定を毎週更新する
  • 赤字案件の基準を作り、止血の判断を早める
  • 値上げや条件変更の交渉を先延ばしにしない

キャッシュフロー改善は、派手さはありませんが、同じ売上でも資金繰りを安定させる効果があります。調達に進む場合でも、改善の取り組みがあるほど説明が通りやすくなります。

出典:中小企業庁(キャッシュフロー管理・資金計画の考え方)

出典:中小企業庁(資金繰り改善の着眼点)