保険料が想像以上に高くなっている原因は、主契約そのものより「特約」を積み上げていることが少なくありません。特約は、主契約に追加できるオプションですが、目的が曖昧なまま付け続けると、使わない保障に毎月お金を払い続ける形になりやすいです。反対に、いまの暮らしに合わない特約を整理できれば、保険料の負担が大きく変わることもあります。

ここでは、特約を「削っていいもの」「残すべきもの」に分けるための考え方と、見直しで失敗しない進め方を、初心者向けに整理します。

特約はオプションなので目的が言えないものは削る候補

特約は主契約に追加するオプションで、特約だけで契約することはできないと説明されています。

特約を見極めるときの基本はシンプルで、「その特約がないと、家計が具体的に困る場面を説明できるか」です。困る場面が説明できない特約は、加入当時の不安の名残であることが多く、保険料を押し上げる原因になりやすいです。

まずは特約を全部書き出して棚卸しする

最初に、保険証券や契約内容のお知らせを見ながら、主契約と特約を全部書き出します。書き出す項目は次の3つだけで十分です。

  • 特約の名称
  • 何が起きたら支払われるか(支払事由)
  • 月の保険料(特約分が分かるなら特約分)

ここまでできると、「名前は立派だけれど、何のために付けたのか分からない特約」が見つかりやすくなります。

名称より支払事由を読む

金融庁の監督指針でも、支払事由が明確であることなどが示されています。契約者側としても、特約の名称から想像した内容と実際の保障がズレないよう、支払われる条件を確認する姿勢が重要です。

保険料が増えやすいのは更新型の特約

更新のある特約は、更新時に保険料が変わることがあるため、家計の固定費が膨らみやすいポイントです。

特約に更新があるかを最優先で確認する

特約には、一定期間ごとに更新されるタイプがあります。更新型は、契約を続けること自体はできても、保険料の水準が変化する可能性があるため、家計の見通しに影響します。特約の説明や「更新」の記載が見当たる場合は、更新時期と、保険料がどう変わる仕組みなのかを契約書面で確認してください。

更新前にやるべきことは代替案の比較

更新が近いときは、焦って解約ではなく、次のように選択肢を並べると判断がぶれにくくなります。

  • 特約を外して主契約だけ残す
  • 特約を減額して必要最低限にする
  • 契約全体を見直すが、保障の空白期間を作らない

更新のタイミングは、特約の整理で固定費を下げやすい反面、勢いで削りすぎると不安が残りやすいので、必ず比較して決めるのがコツです。

公的保障でカバーできる範囲を知ると過剰な特約に気づける

民間保険で全部を埋めようとすると、特約が増えすぎるため、公的制度でカバーされる範囲を先に押さえるのが近道です。

医療費は高額療養費制度が土台になる

公的医療保険には、医療機関や薬局で支払う医療費の自己負担が、1か月の上限額を超えた場合に超えた分が支給される「高額療養費制度」があり、上限額は年齢や所得に応じて定められると説明されています。ここを知らずに「入院や手術の費用は青天井」と考えて特約を盛りすぎると、保険料が上がりやすくなります。

公的制度で足りない部分を特約で補う発想に切り替える

公的制度を前提にすると、民間保険で補いたいのは「差額ベッド代」「入院時の食事や交通費」「収入が減る期間の生活費」など、家計の実務で困りやすい部分になりやすいです。自分の家計で本当に困るのがどこかを先に決めると、特約の取捨選択がしやすくなります。

削りやすい特約は重複と使いにくさで見分ける

不要な特約は「保障の重複」または「支払条件が厳しく使いにくい」ことで見つけやすくなります。

同じ目的の保障が複数に分かれていないか確認する

複数の保険に加入していると、同じような入院給付や手術給付が重複することがあります。重複は安心感は増えますが、家計の固定費としては削減効果が出やすい部分です。棚卸しした一覧を見ながら、同じ目的に見える保障が複数ないかをチェックしてください。

支払条件が細かい特約は期待とのズレが起きやすい

特約の中には、対象となる治療や状態が限定され、思ったより支払われないケースが起こり得ます。生命保険文化センターの手引では、契約の際に「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」を必ず読んで確認するよう案内されています。見直しでも同じで、支払事由、免責、保障期間、更新、保険料の変化を重点的に確認すると、不要な上乗せを減らしやすくなります。

外す前に代替手段があるかを確認する

削る候補が見つかったら、「外した場合に家計が困る場面」を一度だけ想像します。困る場面があるなら、その困りごとを別の方法で吸収できるか(貯蓄で備える、支出を調整する、必要最低限の保障に寄せる)を確認してから外すと、見直し後の不安が残りにくくなります。

見直しで失敗しないために解約と乗り換えの順番を守る

保険の整理は順番を誤ると保障の空白が起きやすいため、手順を固定することが大切です。

先に解約せず新しい保障が開始してから整理する

新しい契約を検討する場合、告知が必要になることが一般的で、条件が付く場合もあります。現契約を先に解約すると、想定外に新契約が成立しなかったときに保障の空白が生まれます。見直しは「成立確認→保障開始→整理」の順にすると安全です。

特約だけ外せるかは契約ごとに確認する

特約は主契約に付加する仕組みであるため、外せる特約・外せない特約、外すタイミングなどは契約により異なります。自分の契約でどう扱えるかは、約款や保険会社の案内を確認し、分からなければ問い合わせてから動くと安心です。

出典:生命保険協会(特約の考え方)厚生労働省(高額療養費制度)